長野県

株式会社湯川酒造店

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標高1,000メートル 日本で最も星に近い酒蔵 清酒木曽路

【木曽路はすべて山の中である】
あるところは岨(そば)づたいに行く崖(がけ)の道であり、
あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。
一筋の街道(かいどう)はこの深い森林地帯を貫いていた…。
島崎藤村「夜明け前」の書き出しはこう始まる。

創業1650年。
実に360年の歴史を紡ぐ清酒「木曽路」の酒蔵は、
この木曽渓谷の奥深く、薮原宿の片隅にひっそりとただずむ。
現当主は15代目。江戸初期からの造りの伝統を守りつつ、
木曽の良質な水と信州の米をもって、地酒ならではの深いこくと味わい豊かな酒を醸す。
酒造り五十年の熟練した技を持つ前杜氏鷲沢捨男氏の下、
蔵元の長女湯川尚子が2005年秋より蔵人見習いとして酒造りの世界に飛び込んだ。
酒によって繋がる人との縁に、この上ない幸せを感じると奮闘中である。

木曽は標高1000メートルの高地。酒造りには最適である。
『この気候風土を生かして心豊かにする酒を消費者のみな様に』、とは蔵元の言葉だが。
ここに、まさに「心豊かにする」エピソードがある。

2006年春、「地元産の米で造った酒を是非味わってみたい」との希望がことの始まり。
酒蔵見学をされた地元の人達からだ。
4名の農家が協力してくれた。米は「ヨネシロ」に決めた。
かつて寒冷地木曽の飯米であったが、今は幻となった品種の復興である。
更に、「子供達に是非、米造りから酒造りの勉強をしてふるさとの産業にも理解を深めて貰いたい」との
村の教育委員会からの希望も舞い込んだ。蔵元はこれを快諾。
小学校6年生28人も参加しての米作りが始まる。やがて順調に成育し、子供達がこれを刈る。

その頃、人々の投票で酒銘が『燦水木(さんみずき)』と決まる。
「燦」は米を作る人、酒を造る人の心が光り輝いている様子を表し、
「水」は木曽川の源流の水、「木」は木祖村の木を表現した。

子供達が大切に育ててくれた米「ヨネシロ」の仕込がいよいよ始まり、子供達はこれを見学する。
ヨネシロの酒を仕込み始めて約1ヶ月、皆の思いを受け継いだ蔵人たちが、
大切に大切に育てた酒が搾りの時を迎えた。ふくよかなとってもいい酒に仕上がったと言う。

子供達の最後の仕事は瓶詰めの手伝いだ。
子供達が一本一本丁寧に心を込めて瓶詰めをする。自分のボトルに自分で書いたラベルを貼った。

蔵ではこれを彼らが20歳になるまで預かり、成人式のお祝い供すると言う。
「米造りも大変だったけれど酒造りにも大変な手間がかかることがわかった。20歳になって飲めることが楽しみ…」
とは参加した子供達の笑顔である。

8年後彼らがどんな20歳になっているのか、
8年後にヨネシロの酒「燦水木」がどんな素晴らしい古酒になっているのか、楽しみはつきない。

地味だが偉大な取り組みだ。
このような子供達との触れ合いがあれば間違いは無い。
彼らは立派な大人になる。そして「文化の液体」の真価を愛でる人になる。

こんな楽しい蔵、他にもあったら是非教えて頂きたい。日本酒の未来に明るい日差しを招くようだ。
                                                 (by Forcia)
石高 1000石
創業年 1650年  (慶安3年)
住所 〒399-6201  長野県木曽郡木祖村藪原1003-1
電話番号 TEL. 0264-36-2030
FAX番号 FAX. 0264-36-2711
各種受賞履歴 平成11年度全国新酒鑑評会金賞受賞、平成15年度入賞
杜氏の紹介 鷲沢捨男杜氏(小谷杜氏)。「米を蒸かしている瞬間、考えているのは、いい酒を造ろうということだけ」と語る。それゆえに、酒には造り手の思いが伝わってしまうのだと。自分が納得できる酒を真剣に造ろうと、自分で稲から育てた米を使って醸した酒もある。杜氏の心が澄んでいれば、飲む人々の心が豊かに、静かに潤うような酒になるはず、と信条を貫きながら手間を惜しまず酒を仕込む、熟練の技を持つ酒造り半世紀のベテラン杜氏だ。
銘柄

「木曽路」  

「十五代九郎右衛門」  

WebサイトURL http://www.sake-kisoji.com/
加盟団体 長野県酒造組合