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究極の食中酒を求めて

長野県伊那市 - 酒座 宮島酒店

“日本酒って、いつ、どうやって飲む?”

このひと言が、すべての始まりでした。

“そりゃぁ、夕飯とか料理を食べるときでしょ?”

“簡単なつまみに日本酒だけ、ってのじゃないのか?”

“それもそれで美味しいですけど、料理と一緒の方がさらに美味しいですよね。”

“じゃあ、料理と一緒に楽しめる日本酒って、どんなのだ?”

言われてみれば、もっともな質問。
何となく「和食には日本酒」という固定観念に縛れたように日本酒を飲んでいた自分を発見!

ワインなら、ごく一部を除き、「食中酒」というイメージが強いですよね。
“この料理なら、どんな味わいのワインと合わせようか?”などと頭を悩ませたりすることも。

“じゃあ、日本酒は?”と改めて問い直されると、“???”が頭をよぎりました。
確かに、日本酒がいろいろな料理と合わせやすいですよね。
魚でも、肉でも、野菜でも、
“ウ~ン、ここは○○○の方が、この料理と合うかなぁ?”と思うことはあっても、
“こりゃあ、ダメだッ!”ってことがほとんどないお酒。

それだけに、改めて問い直してみたい気がしてきますよね、料理に合う日本酒を。

そこで、また質問が。

“料理と言っても、和食か? 洋食か? それとも中華か?”

材料だけを見ても、魚もあれば肉もあり、野菜もあり。
さらには調理方法や味付けで、さまざまな料理が食卓に上るのが普通。

これでは、食中酒もゴマンと必要?

“料理に合う日本酒を見つめ直すなら、「究極の日本酒」を探せ!”

当然といえば、当然の結論でした。
さまざまな料理と合わせることができ、気軽に、手軽に楽しめる日本酒。
そんな日本酒こそ、「究極の食中酒」と呼べるのではないでしょうか?

ところで、「究極の食中酒」とひと口に言っても、その味わいは多種多彩。
料理の邪魔をしないような「淡麗辛口」の日本酒を「究極の食中酒」とされる蔵元もあれば、
お米の旨味が充分に感じられるような「旨口」系の日本酒を醸される蔵元もあるはず。

当然ですよね?
同じ日本酒でも、その味わいの感じ方は人それぞれ。
しかも、好みにいたっては千差万別。
どれもこれも似たりよったりっていうんじゃなくて、
いろんな形というか、いろんな味わいの「究極の食中酒」があって良いわけです。

“最初の目安をどこに置くか?”と頭を悩ませていたときに聞こえてきたのが、
「芳醇辛口」という日本酒の噂。
「淡麗辛口」じゃなくって、「芳醇辛口」だというのです。

一見、相反する「芳醇さ」と「辛口」。

“米の旨味が充分に感じられる芳醇さ”といえば、いわゆる「旨口」系の日本酒のはず。
それが、「辛口」とは? 一体、どんな味わいなのか?

いやがうえにも、蔵元にも「芳醇辛口酒」にも、興味をそそられました。

しかも、「顔が見える」ことを重視されている蔵元だとか。
日本酒に使用されるお米は、すべて地元の農家で契約栽培された無農薬・減農薬のお米。
販売される酒販店も、ほとんどが蔵元の考えに共感されるところ。

日本酒を造るということは、蔵元の表現行為そのものである

との考えの下で、

素性の確かな高品位米の持ち味を存分に引き出し、
旨味がしっかりと表現された「芳醇」な酒

を個性とし、

その上で、料理との相性をより重視した「芳醇辛口」酒を、更なる明確な個性

とするべく努力されているとか。

 

その蔵元が、長野県伊那市の合資会社 宮島酒店

今回は、その宮島酒店が醸される「芳醇辛口」酒に焦点を当て、
「究極の食中酒」を探し求めてみたいと思います。

宮島酒店は、JR飯田線の伊那市駅から徒歩5分という街の真ん中に蔵を構え、 「信濃錦」と「斬九郎」という2つの銘柄を醸されていらっしゃいます。
*)伊那市については、後段をご参照ください。

2006年には、減農薬「美山錦」を用いた特別純米酒「信濃錦 芳醇純米酒」が、全日空(ANA)の国際線全路線のビジネスクラスで機内食のお酒として採用されました。

合資会社 宮島酒店

蔵元としての創業は明治44年(1911年)。それ以前は米穀商を営んでいらっしゃいました。

日本酒造りを始められた頃の酒銘は「扇正宗」といわれたとか。家紋が桧扇だったことにちなんで命名されました。
その後、蔵元としてより大きく飛躍することを祈念して、「信州の栄光」を意味する「信濃錦」に改められたそうです。


“どこを斬っても米の味がする酒”

宮島酒店が目指される「究極の食中酒」は、
“純米酒で、芳醇でありながら辛口の日本酒”。

お酒は、料理があってこそ旨くなるもの。
料理は、お酒があってこそ旨くなるもの。

その考えの下で目指されている目標です。

「淡麗辛口」といわれるお酒があります。
一時期、日本酒だけでなく、ビールの分野をも席巻した味わいです。

思い切った言い方をしてしまえば、
“サッパリした口当たりでキレの良い辛口”のお酒。

日本酒でも食中酒として人気を博し、
現在でも人気がある日本酒の味わいの1つです。

しかし、宮島酒店が目指されるのは、「辛口」でも、この「淡麗辛口」の日本酒ではありません。

“お米本来の旨味を感じる芳醇な味わいながら、料理との相性が抜群の辛口”

これが、宮島酒店の「究極の食中酒」。
「芳醇辛口」という味わいの日本酒です。

今から30年近い昔のことですが、
当時の「信濃錦」は、味が重く、熟成香がクセとして感じられるような日本酒だったとか。
ところが、世は地酒ブーム。
非常に華やかな吟醸香と軽快な口当たりの大吟醸がもてはやされていた時代でした。

そのようななかで、蔵元さんは、
“飲み飽きせずサラリと飲める”辛口の日本酒造りを目指されました。

時を同じくして、青森県の「田酒」((株)西田酒造店)に出会われたという宮島社長。
“大吟醸のような華々しさがない反面、五臓六腑にしみわたるような深い味わい”を「田酒」に感じた宮島社長は、
「芳醇」さを持った純米酒の世界へと引き込まれることになったとか。

この2つの出来事が、

「信濃錦」らしい芳醇な旨味を個性とした、キレの良い食中酒を造る

という「芳醇辛口純米酒」への挑戦につながったといいます。

日本酒本来の味わいの根源にあるお米の旨味を充分に楽しみ、
しかも、いろんな料理と一緒に食べて飲んで楽しめる。

 

これって、すごくイイと思いませんか?

考えてみてください。

普段、和食の時はもちろん、洋食の時も、「ご飯」を食べますよね?

焼魚や煮魚なら言うまでもありませんが、
豚の生姜焼きにも、ハンバーグにも、ロールキャベツにも、ご飯。

どれもこれも、炊き立てアツアツの白いご飯にピッタリです。


料理と共に、お米の旨味が充分に感じられるような芳醇な味わいを持つ日本酒を楽しみ、
しかも、後味がスッキリしたキレの良い辛口で、料理を引き立ててくれる日本酒。

“そんな日本酒が料理に合わない筈がない!”という気にさせられてしまいます。

蔵元のひと言をお借りすれば、“どこを斬ってもお米の味がする日本酒”。

お米本来の味わいを感じられる日本酒であることを所与の条件として、
いかにして辛口のお酒を造るか、に腐心される蔵元。

宮島酒店さんでは、この流れを押し進め、
現在では、「信濃錦」と「斬九郎」という2つの銘柄を醸されていらっしゃいます。

 

「斬九郎」
裏ラベルの文言がちょっと面白いので、ご紹介。

鈍を斬り、暗をきり、貪をきり、慢をきる。

怠を斬り、憂をきり、愚をきり、悪をきり、

そして己の弱さを斬る。

しかし肩ひじ立ててばかりでは身がもたぬ。

今宵、好みの酒でちょいと盃でもかたむけ、

酔に浸ろうか、斬九郎。

表ラベルも独特で、手漉きの和紙を使っていらっしゃいます。(普通の日本酒とは全く違った印象を受けるラベルです)

現在では、普通の4合ビンと同じように金属キャップになっていますが、発売当初は、コルク打栓までしていらっしゃったそうです。



“顔が見える”

“生産者の顔が見える野菜”とか、“生産者の顔が見える肉”といわれることがあります。
野菜やお肉に生産者の氏名や場所が明記してあって、場合によっては顔写真が貼ってあることも。

口に入れる消費者の立場からすると、安心して食べられる食品ということになるんでしょうが、
実際にそういった野菜や肉などを生産される方々にとっては、手間や時間のかかる大変な作業です。

たとえば、お米。

無農薬や減農薬でお米を作ろうとすると、
田んぼの中に生えてくる雑草を手作業でこまめに抜き取り、
害虫や病気が発生しないように注意深く見守ることが必要です。

“遠くから、また近くから、注意深く見守りながら大事に育てる。”というこの姿勢は、わが子をいつくしみ育て上げていくのと似通ったものですね。

その手間と時間をかけて育てたお米にこだわられている宮島酒店さん。
現在では、醸されている日本酒の全量が、無農薬か減農薬で栽培されたお米で造られています。

と言っても、無農薬米や減農薬米と呼ばれるお米をただ単に買ってこられるわけではありません。

農家と契約された上で、無農薬米や減農薬米の栽培を依頼し、
できあがったお米はすべて買い取る、というシステム。
そのため、契約栽培を依頼する前に、蔵元さん自らが田んぼに行かれて、
栽培用水の清澄さや田んぼの日当たり/風通しなどをチェックされています。

特に栽培用水。
栽培用水を引いている川の上流の田んぼで使われた農薬が流れ込む可能性がないか、
上流から生活排水が多く流れ込んでしまう可能性がないか、といった点までチェックされます。

蔵元が何よりも重視されるのが、実際にお米を栽培される農家の人柄。
契約をキチンと守っていただくためにも、“その農家をどれだけ信頼できるか?”は重要。
宮島酒店さんでは、そういった点も考え合わせた上で契約栽培をお願いされています。

 

無農薬や減農薬で育てる場合に草取りが大事で大変な作業であることは述べたとおり。

良いお米を作っていただくために。
そして、農家の作業を少しでも軽減できれば。


ということで、過去十数年にわたって「草取り援農の会」を実施されています。

詳細は、『日本酒こんしぇるじゅ』の「宮島酒店 無農薬「山田錦」草取り援農の会」をご参照ください。

無農薬や減農薬のお米を使って丹念に醸された日本酒。
蔵元では、我が子のような日本酒がどんな風に販売されるか、にも気を配っていらっしゃいます。

“キチンと造ったお酒をキチンと飲んでもらうために、キチンとした方法で販売してもらいたい。”

それが、蔵元である宮島酒店さんの願い。
そのため、宮島酒店さんの思いや情熱を理解してくださる酒販店とお取引されているとか。
ここにも、蔵元としてのこだわりを感じます。


宮島酒店の究極の1本

今回の「究極の食中酒」を探す中で飲んだ宮島酒店さんの日本酒は、以下の11種類。

1. 信濃錦「枯薫(こくん)」 特別純米大古酒
2. 信濃錦「秘花(ひすればなは)」 純米大吟醸酒
3. 信濃錦「酌(しゃく)」 純米大吟醸酒
4. 信濃錦「れとろらべる ひやおろし」 純米吟醸生詰酒
5. 信濃錦「天墜(てんおつ)」 特別純米生原酒
6. 信濃錦「命まるごと」 特別純米酒
7. 信濃錦「燗熟純米(かんじゅくじゅんまい)」 純米酒
8. 斬九郎「特別純米 ひやおろし」 特別純米生詰酒
9. 斬九郎「無農薬 八十・山田」 純米生原酒

A. 信濃錦「一瓢 ひやおろし」 特別純米生詰酒
B. 信濃錦「芳醇純米酒(ほうじゅんじゅんまいしゅ)」 特別純米酒
*) 上段にある段落番号が数字の日本酒は、「信濃錦を飲む会」で味わった日本酒。
下段にある段落番号が英字の日本酒は、個人的に味わった日本酒。
それぞれの日本酒の詳細については、後段の「信濃錦を飲む会」をご参照ください。


蔵元として、「芳醇辛口純米酒」という食中酒の新しい分野を開拓されているだけに、
甲乙つけがたく、いずれも飲み飽きしにくい日本酒ばかり。

 

そんな中から、“「究極の食中酒」としての1本!”というなら、

「斬九郎 特別純米」

を選びたいと思います。

今回は、出荷前の火入れをしない「ひやおろし」でしたが、
その後、火入れをした「斬九郎 特別純米」を味わったときにも、
「究極の食中酒」の筆頭候補のひとつとすることに迷いはありませんでした。

「芳醇辛口」の味わいを「信濃錦」以上に追求しようとして造られた「斬九郎」。

宮島酒店さんでは、「信濃錦 天墜」(日本酒度+12)に次ぐ、
日本酒度+10の「大辛口酒」です。

お米の旨味が充分に感じられる反面、
飲み飽きしないサラリとした味わいの辛口。

「信濃錦を飲む会」では、「ひやおろし」とイタリア料理の組合せでしたが、魚介類であれ、トマト風味のパスタであれ、シッカリと受け止めてくれました。
火入れをした「斬九郎 特別純米」は、白身や青魚系の刺身でも美味しく飲め、鶏そぼろ餡をかけた大根の煮物にも合いました。

斬九郎「特別純米」
特別純米酒
長野県産の減農薬米「美山錦」
精米歩合61%
日本酒度
+10
酸度
1.8
アルコール分
16.5%

料理を選ばず、自然と杯を重ねてしまいそうな日本酒。
“いろいろな料理が並ぶ私たちの食卓に1本だけ!”と言われれば、
迷わずに筆頭候補の1つに挙げたくなる日本酒だと感じました。

【次点の2本】

信濃錦「天墜」
特別純米生原酒
日本酒度
+12
長野県産の減農薬米「美山錦」
酸度
1.9
精米歩合61%
アルコール分
18.5%
宮島酒店では最辛口ともいえる、日本酒度+12の日本酒。
加水されていない生原酒だけに、アルコール度も18.5%と高めです。

今回の1本を選ぶに際して最後まで悩んだ1本です。

潔いばかりのキレを感じる日本酒ですが、
「ガツン」と殴られたような味わいとアルコール度数の高さとが、
最後まで悩んだ点。

「飲める人」には美味しい1本だと思いますが、
どんな料理にでも、という点を考慮し、
個人的には「次点」とさせていただきました。




信濃錦「天墜」

信濃錦「一瓢 ひやおろし」
特別純米酒
日本酒度
+10
長野県産の減農薬米「美山錦」
酸度
1.7
精米歩合61%
アルコール分
15.5%
こちらも、「斬九郎 特別純米」と同じ日本酒度+10の日本酒。

今回の1本を選ぶに際して最後まで悩んだ1本ですが、
「番外編」として味わったことや、いつでも手軽に入手できるかを考え、
次点としました。

芳醇なお米の旨味を感じながらキレがある味わいは、
「斬九郎 特別純米」と似通っており、
個人的には甲乙つけがたい気がしています。

敢えて違いを挙げるなら、
「斬九郎 特別純米」の方がキレがあり、
より飲み飽きしないタイプということでしょうか。

 


信濃錦「一瓢 ひやおろし」

参考までに、今回に味わった11種類の日本酒度と酸度をまとめると以下のように。
「芳醇辛口」をうたわれる蔵元だけあって、
多くの銘柄が左上の方にあるのがお分かりいただけると思います。

ちなみに、「究極の食中酒」としての1本「斬九郎 特別純米」と「次点」とした2本「信濃錦 天墜」と「信濃錦 一瓢」は、いずれも左端の方に並んでいます。



買える店

さて、そんな宮島酒店さんの「信濃錦」と「斬九郎」。
『日本酒こんしぇるじゅ』にご参加いただいている酒屋さんは、こちらになります。
(太字にした商品は、「究極の食中酒」1本と「次点」2本です)

 

 

酒販店名
住所/電話番号
取扱い銘柄
山形県長井市横町 4-25
電話:0238-88-2025
信濃錦 天墜 特別純米生原酒
斬九郎 特別純米酒
斬九郎 純米大吟醸
千葉県館山市北条 2290-57
電話:0470-22-0754

信濃錦 かかし 純米
信濃錦 純米 美山錦仕込み
信濃錦 純米大吟醸 斗瓶取り雫酒
信濃錦 特別本醸造 極辛口
埼玉県上尾市地頭方 408-22
電話:048-725-1626
斬九郎 特別純米酒
京都府京都市東山区七条本町西入ル日吉町 222
電話:075-561-7974
信濃錦 無垢之酒 純米吟醸酒
信濃錦 天墜 特別純米生原酒

純正あま酒(ノンアルコール)
井谷酒店
三重県尾鷲市中央町 3-8
電話:0597-22-0199

注)販売されている銘柄/商品は、コメント作成時のものです。売切れなどにより変更になっている場合もありますので、ご了承ください。


『日本酒こんしぇるじゅ』には未参加ですが、
「信濃錦を飲む会」を主催された「酒文化いたや」さんも、もちろん、お取扱いされています。

 

酒販店名
住所/電話番号
取扱い銘柄
長野県伊那市伊那部日影171
電話:0265-72-2331
信濃錦 極稀を贈る 大吟醸酒
信濃錦 秘花 純米大吟醸酒
信濃錦 酌 純米大吟醸酒
信濃錦 れとろらべる 純米吟醸酒
信濃錦 天墜 特別純米生原酒
信濃錦 命まるごと 特別純米酒
信濃錦 一瓢 特別純米大辛口酒
信濃錦 芳醇純米酒
信濃錦 燗熟純米
信濃錦 枯薫
斬九郎 特別純米酒
斬九郎 無農薬 八十・山田

注)上記以外にもお取扱いがありますので、詳細はお問い合わせください。また、売切れなどにより変更になっている場合もありますので、ご了承ください。


ここに挙げたお店のほか、
日本名門酒会に加盟されている酒屋さんでもお取扱いがあるかも。
お近くの酒屋さんで取り扱ってらっしゃるか確認してみてください。

ちなみに、日本名門酒会さんのネットショップ「日本酒天国.com」では、
「信濃錦 かかし 純米」と「信濃錦 あま酒」を販売していらっしゃいます。


【詳報】 「信濃錦を飲む会」

11月24日(火)、宮島酒店さんの3Fで、「信濃錦を飲む会」が催されました。

 



「酒文化 いたや」さん


看板に書かれた文言
「信濃錦のすべてがここにある・・・」
主催されたのは、長野県伊那市にある酒屋さん「酒文化 いたや」さん。

開催は、毎年2月と11月の年2回。
11月には、前年に仕込んだ日本酒が味わえますが、
2月には、絞ったばかりの新酒を味わえるそうです。

「信濃錦を飲む会」は約15年にわたって開催されていますが、
当初は、申込者数が少なくて「流会」になることもあったとか。

それが、現在では、定員25名に対して、
キャンセル待ちができるほどの人気ぶりだそうです。
今回も、開催1週間以上前に定員に達しました。

日本酒に限らず、「辛口系のお酒」が大好きな私。
米であれブドウであれ、「原材料の味わい」がシッカリ感じられるお酒に
“美味しいッ!”と感動してしまいます。

「芳醇辛口」を謳われている宮島酒店さんの「信濃錦を飲む会」とくれば、
いやがうえにも心が躍ります。




「酒文化 いたや」 有限会社井田屋酒店
長野県伊那市伊那部日影171
電話 0265-72-2331

しかし、しかし・・・。
当日は、「信濃錦を飲む会」の本会の前に、18:30から蔵見学。
“ここは我慢の一手だぞ!”とばかりに、はやる気持ちを抑えて、まずは蔵見学に専念です。

ご案内いただいたのは、社長をされている宮島 敏 さん。
語り口も物静かで研究者タイプといった雰囲気の方です。

酛を仕込んでいる最中とのことで、見学は、麹室や酒母室(酛を仕込む場所)が中心となりました。

蔵の入口で衛生キャップを被ります。
(下中の写真では、宮島社長も被っていらっしゃいます)

化学実験室のような検査室
見学前に、念入りに手洗い
発酵タンクの前で
説明をされる宮島社長
天井を走る青いパイプ
精米されたお米を空気の力で搬送
麹を育てるための麹室
高温多湿の室内で箱麹という方法で製麹
あま酒には、自動製麹機を使用
酛(酒母)を造る酒母室
酛を育てる小型タンクが2基
仕込み中の酛(酒母)
手であおぐと、フンワリと甘酸っぱい香り

蔵見学が終わると、いよいよ「信濃錦を飲む会」のメイン。
今回の銘柄は、全部で10種類。

 1. 信濃錦「X(名称未定)」 発泡性純米酒
 2. 信濃錦「秘花(ひすればなは)」 純米大吟醸酒
 3. 信濃錦「命まるごと」 特別純米酒
 4. 斬九郎「無農薬 八十・山田」 純米生原酒
 5. 信濃錦「枯薫(こくん)」 特別純米大古酒
 6. 信濃錦「天墜(てんおつ)」 特別純米生原酒
 7. 斬九郎「特別純米 ひやおろし」 特別純米生詰酒
 8. 信濃錦「れとろらべる ひやおろし」 純米吟醸生詰酒
 9. 信濃錦「燗熟純米(かんじゅくじゅんまい)」 純米酒
10. 信濃錦「酌(しゃく)」 純米大吟醸酒

参加されたのは、男女とり混ぜて25名。

男女比は、7:3ぐらいでしょうか。
年齢は20代と思しき方から60歳前後の人までさまざま。

伊那市内での開催ということもあり、ほとんどが地元の方々です。

料理は、伊那市内で持ち帰り店を営まれているKurabeさんのイタリア料理。

前菜の盛り合わせ

メイン料理いろいろ
もともとは、ご自宅で手打ちパスタやパスタ・ソースを作られていたそうですが、
最近になってイタリア料理の持ち帰り店を始められたとか。
出していただいた料理は、どれもこれも本格的な味で、堪能させていただきました。

改めて・・・ご馳走様でした!

Kurabe: 長野県伊那市西町5111-16
電話 0265-76-9086

1.信濃錦「X(名称未定)」
長野県産の減農薬米「美山錦」
日本酒度
--
現在、試験的に製造中の発泡性純米酒
酸度
--
製品仕様や名称、発売時期など、すべて未定
アルコール分
--
発泡性にごり酒「スパークリング大自然」は醸されていますが、
澄んだ発泡性純米酒は宮島酒店さんで初めて。
試作品です。

炭酸ガスを添加するのではなく、
発酵により自然発生したガスを封じ込めた日本酒です。

色合いは、まるでスパークリング・ワインのよう。
シュワシュワ~ッという感じで立ち上がる泡が綺麗でした。

味わいは、強い甘みを感じず、どちらかと言えばサッパリ。
食前にチーズでもつまみながら、美味しく飲めそうです。
ただ、個人的には、もう少し「泡」が感じられても良いかも。

残念ながら、今年のクリスマスには間に合いませんが、来年には、これで乾杯してみたいですね。

2.信濃錦「秘花(ひすればなは)」
純米大吟醸酒
日本酒度
±0
長野県産の無農薬米「美山錦」
酸度
1.6
精米歩合40%
アルコール分
16.5%
香りは控えめ。
米の味わいはシッカリ感じられるものの、後口もスッキリ。

ひと口で“美味しい!”と、素直に心に響いてきました。

おしとやかで控えめな良家のお嬢様を彷彿とさせる日本酒。
いろいろな料理と共に味わってみたい1本です。

野菜のバーニャカウダと味わわせていただきましたが、
“魚介類と一緒に味わってみたいなぁ。”という気にさせてくれました。

3.信濃錦「命まるごと」
特別純米酒
日本酒度
+2
長野県産の無農薬米「美山錦」
酸度
1.7
精米歩合60%
アルコール分
15.5%
“無農薬米の米の旨味をまるごと凝縮した”とまで言われる蔵元さん。

商品名の「命まるごと」というのも、
“無農薬米の命を丸ごと閉じ込めた”ことから名づけられたとか。

鼻を近づけると、お米の香りがフンワリと伝わってきます。
口に含むと、お米の味というか、旨味がフワ~ッと広がってくるお酒。

“ご飯を食べたときの喜びに通じる・・・。”

蔵元さんからのひと言でした。

4.斬九郎「無農薬 八十・山田」
純米生原酒
日本酒度
+4
長野県産の無農薬米「山田錦」
酸度
1.8
精米歩合80%
アルコール分
17.5%
「芳醇辛口」の味わいを
「信濃錦」以上に追求しようとして造られた日本酒。

それが、「斬九郎」。

これは、そんな「斬九郎」の中でも異色の日本酒。
「美山錦」でもなく、「ひとごこち」でもなく、
長野県産の「山田錦」を使って醸されています。

無農薬米の旨さの力を信じ、敢えて精米率を80%に抑えられたとか。

お米の旨味を強く感じる一方で、
酸味とのバランスが良く、雑味の少ないスッキリしたキレが感じられます。

燗をつけるとどうなるのか、試してみたい気がします。

5.信濃錦「枯薫(こくん)」
特別純米酒を寝かせた11年めの古酒
日本酒度
+2
長野県産の減農薬米「美山錦」
酸度
1.8
精米歩合59%
アルコール分
18.5%
伊那谷で契約栽培された「美山錦」で醸した特別純米原酒を寝かせた古酒。

昨年に味わわれた際には、“もう少しかな。”と思われたそうですが、
11年めとなる今年、“よしッ!”と頷かれたとか。

“古酒といえばコクと余韻が強い。”というイメージを覆してくれました。
10年も寝かされたとは思えないキレのある古酒です。

“塩辛やカニ味噌などと一緒でも楽しめそうだし、クリームチーズの冷奴風は?”的な感じを与えてくれる日本酒。

ちなみに、蔵元さんによると、“日本酒は奇数年めが美味しくなる。”と言われているそうです。

今回の料理をご用意してくださったKurabeさん。
前にも書きましたが、元々は手打ちパスタやパスタ・ソースを作っていらっしゃったお店。

とくれば、当然と言えば当然ですが、今回もパスタ料理が2種類。しかも、作ったばかりのホカホカのパスタ。

リングイネのペペロンチーノ

フジッリのアラビアータ
前回までは、Kurabeさんが出張して作ってくださっていたそうですが、持ち帰り店を始められたことで忙しくて忙しくて、“どうしても行けない!”ということになったとか。ということで、腕を振るってくださったのが・・・。

「信濃錦を飲む会」のパスタ三人衆
なんと、宮島社長、蔵人の三澤さん、「酒文化 いたや」の中村さんが作ってくださいました。

もちろん、もともとの材料も美味しい材料だったんでしょうが、パスタもしっかりとコシのあるアルデンテで、味もバッチリ!

後でお聞きしたところ、
宮島社長は、普段からご自分で料理をされているとか。

おみそれしました。

6.信濃錦「天墜(てんおつ)」
特別純米生原酒
日本酒度
+12
長野県産の減農薬米「美山錦」
酸度
1.9
精米歩合61%
アルコール分
18.5%
「信濃錦 天墜」と言えば、
ある意味、宮島酒店さんを代表する商品。
ドッシリした飲み応えある大辛口の純米生原酒です。

豊かなお米の旨味を感じつつ、
大辛口と言われるほどのスッキリしたキレ。
「ガツン」と殴られるみたいな味を感じさせてくれます。

今回はイタリア料理でしたが、
生カキや塩焼きの魚、煮魚も試してみたいと思わせてくれます。

7.斬九郎「特別純米 ひやおろし」
特別純米生詰酒
日本酒度
+10
長野県産の減農薬米「美山錦」
酸度
1.8
精米歩合61%
アルコール分
16.5%
こちらも、「芳醇辛口」の味わいを「信濃錦」以上に追求しようとして造られた「斬九郎」。
出荷前の火入れをされない「ひやおろし」です。

お米の旨味とスッキリしたキレが感じられる「食中酒」。

どんな料理にも合いそうなだけに、
“ウ~ン、最も合う料理って何だろう?”
という気持ちにさせられそうです。

和食、中華、洋食と、いろいろな料理が出てくる日本の食卓に常備しておきたい1本・・・ですね

8.信濃錦「れとろらべる ひやおろし」
純米吟醸生詰酒
日本酒度
±0
長野県産の減農薬米「美山錦」
酸度
1.7
精米歩合50%
アルコール分
15.5%
明治か大正、はたまた昭和初期といった昔に思いを馳せさせてくれるような「れとろらべる」。
出荷前の火入れをされない「ひやおろし」です。

口に含んだ瞬間は、
“ン? 水のようなサッパリした味わい・・・。”
と思わせられましたが、
次の瞬間、フワ~ッと米の旨味が広がります。

冷蔵熟成されており、米の旨味と香りをより深く強く感じられる日本酒。

刺身なんぞを横に置いて、チビリチビリ飲ってみたいですね。

明治や大正といった昔のことなど知りはしないのに、
そんな時代を味わいにも感じさせられてしまう日本酒です。

9.信濃錦「燗熟純米」

 

低温調熟の純米酒

日本酒度
-2
長野県産の減農薬米「美山錦」
酸度
1.7
精米歩合70%
アルコール分
15.5%
燗酒を意識して醸された日本酒で、やや甘口。
「芳醇辛口」を目標とされている宮島酒店さんにおいて、異色の1本ではないでしょうか。

今回は、ぬる燗ぐらいの温度で飲みましたが、
鼻を近づけると、フワ~ッとお米の香りが広がります。
口当たりも柔らかな感じを受けました。

純米酒をジックリと熟成されているので、
熱燗でも日本酒としての姿が崩れないとか。

寄せ鍋をつつきながら、上燗~熱燗で試してみたいですね。


10.信濃錦「酌」
純米大吟醸酒
日本酒度
+1
長野県産の減農薬米「美山錦」
酸度
1.6
精米歩合40%と50%の純米大吟醸酒をブレンド
アルコール分
15.5%
精米歩合の異なる日本酒をブレンドした純米大吟醸酒。

「秘花」と同様、こちらも、それほど強い香りを感じません。
純米大吟醸だけあって、サラッとした軽快な味わい。

「秘花」が良家のお嬢様なら、
「酌」は、落ち着きの出てきた若旦那といった感じ。

“純米大吟醸酒を日本酒だけで飲みたい!”
という向きには物足りない感じがするかもしれませんが、
“食中酒として飲むにはピッタリ!”と思わせられます。

ホタテや白身魚のソテーなどと合わせてみたい気にさせられました。

デザート

あま酒ヨーグルト
あま酒ムース
最後はデザート。
今回は、宮島酒店さんが醸されているあま酒を使ったデザート2種類をいただきました。
どちらも、フンワリとあま酒の味わいが感じられ、飲みやすく食べやすいデザート。

あま酒ヨーグルトは、
あま酒の甘みとヨーグルトの酸味がマッチして、爽やかな飲み心地。

あま酒ムースは、
冷んやりした食感の中に、ホンワカとしたやさしい甘みが感じられる一品。 

砂糖を使っていないそうですが、シッカリと甘みを感じることができました。

宮島社長さん曰く・・・

“あま酒に含まれるブドウ糖は、脳に吸収されやすく、頭に良いんですよ。受験勉強のときなど、是非、食べて欲しいですね。”





【レシピ】 あま酒ヨーグルト & あま酒ムース (レシピ提供:宮島社長)

あま酒ヨーグルトを作る宮島社長


あま酒ムース
あま酒ヨーグルト
材料: 
純正あま酒(是非、宮島酒店さんのを)      500g
プレーンヨーグルト                  500g
作り方:
① ボウルにプレーンヨーグルトとあま酒を入れ、
ゆっくりとよくかき混ぜる。
氷を入れた大きめのボウルに重ねるようにして
冷やしながらかき混ぜると、更に美味しくなる。 
② グラスに注いで出来上がり。
お好みで、ブルーベリー・ジャムやストロベリー・ジャム、
マーマレード・ジャムなどを添えて。

あま酒ムース
材料:
純正あま酒(是非、宮島酒店さんのを)      700g
生クリーム                      100ml
水                           300ml
ゼラチン                         15g
作り方:
① 水とゼラチンを鍋に入れ弱火で煮溶かす
(ダマを残さず完全に)。
② あま酒と生クリームを合わせミキサーにかけ
空気を含めた後、①を加え、容器に移して冷蔵庫で冷ます。

簡単なので、是非、作ってみてください。

今回の「信濃錦を飲む会」ではありませんが、以前に飲んだ「信濃錦」も紹介させていただきます。

A.信濃錦「一瓢 ひやおろし」

 

特別純米生詰酒
日本酒度
+10
長野県産の減農薬米「美山錦」
酸度
1.7
精米歩合61%
アルコール分
16.5%
伊那で契約栽培された大粒の「美山錦」を使って醸された「一瓢」。
宮島酒店さんでは「天墜」に次ぐ辛口酒です。

これは、出荷前の火入れをされない「ひやおろし」。

フンワリとした米の香りと旨味が口の中に広がり、
後口はスッキリとしたシャープなキレが感じられました。

バチマグロのステーキ・生姜醤油と共に味わいましたが、
レアに焼いたバチマグロの味をスッキリさせてくれました。

洋風っぽくチーズやサラミなんかも試したくなる1本です。

B.信濃錦「芳醇純米酒」

 

特別純米酒
日本酒度
+2
長野県産の減農薬米「美山錦」
酸度
1.6
精米歩合56%
アルコール分
15.5%
2006年に全日空(ANA)の国際線ビジネスクラスにて
機内食向け食中酒として採用された日本酒。

名前が示す通り、米の旨みが強く感じられる芳醇な味わいの1本。
とは言え、スッキリした後口。

カニ味噌やイカの塩辛で飲んでみましたが、
米の旨みが魚介類の味を引き立てつつ、フンワリと包み込むような感じ。

刺身なら、青魚系と合わせてみたいですし、
“キンメの煮物やサバの味噌煮と合わせてみれば・・・?”
など、いろいろな楽しみ方ができそうです。

“「芳醇辛口」って、「日本酒ブームの次期有力候補」かも。”

そんな気持ちにさせてくれる「信濃錦」と「斬九郎」。
是非、味わってみてください。

伊那市内・酒蔵めぐり

(資)宮島酒店 長野県伊那市荒井3629-1
電話 0265-78-3008
大自然に囲まれた長野県には、
約90もの蔵元が日本酒を醸されています。

今回の宮島酒店さんが長野県の南部にある伊那市に
蔵を構えていらっしゃることは、
既にご紹介したとおり。

伊那市内には、宮島酒店さん以外にも、3つの蔵元があります。
伊那市駅から徒歩2分。
駅の裏といえるような場所にある漆戸酒造さん。

ご兄弟2人で、年間に200石(1升瓶で2万本)の日本酒を
丁寧に醸されている蔵元です。

銘柄は、「井の頭」。

漆戸酒造(株) 長野県伊那市伊那4875-1
電話 0265-78-2223
蔵の中にある井戸から汲み上げる湧水を使っており、汲み上げる水が「井戸の頭(かしら)」のような名水であって欲しいとの願いをこめて、この名前がついたとか。

「井の頭」の純米酒は、派手さはありませんが、米の旨味とコクを感じさせてくれる日本酒です。
漆戸酒造では、日本酒以外にも、米焼酎やそば焼酎を造られています。

伊那市内にあって徒歩で行けそうな蔵元は、宮島酒店さんと漆戸酒造さんの2軒だけ。ほかの2軒の蔵元には、自動車が便利です。

大國酒造(株): 長野県伊那市西春近2161-1
電話 0265-72-2040
JR飯田線に沿うように伊那市駅の西側を走る国道146号線を自動車で南に約10分。
右手に「みまよせ」と赤字で書かれた看板が見えてきます。

そこが、大國酒造(株)。

明治30年(1998年)の創業。
創業以来の銘柄は、「大國」と「氷河」ですが、「みまよせ」というのも、大國酒造の銘柄の1つ。
「みまよせ」は、“日本酒を手軽に飲んで欲しい。”との思いを映した蔵元直売の銘柄です。
漢字では「御馬寄」と書き、蔵元の敷地内には、「御馬寄」と書かれた立看板があります。
“馬でお越しのお客様は、ここへおつなぎください”とのこと。

「大國」も「みまよせ」も、純米酒は「旨口」系の日本酒です。
伊那市駅から国道361号線(通称:権兵衛街道)を東に自動車で約15分。
「新山入口」という三叉路に、「仙醸」と書かれた看板があります。
そこからは、国道210号線へ。
道なりに走り、「三峰川」を渡って直ぐに左折。
2~3分も走ると、右手の方に、周りを田んぼと山に囲まれた中に建つ白い建物が見えてきます。
それが、(株)仙醸。

(株)仙醸: 長野県伊那市高遠町上山田2432
電話 0265-94-2250
幕末の慶應2年(1866年)に、黒河内松治郎氏が太松酒造店として酒造業を始められたとか。

銘柄は「黒松 仙醸」と「仙人蔵」。
地元の伊那谷で栽培される酒造好適米「ひとごこち」を使い、南アルプスの伏流水を使って醸される日本酒。
このほか、米焼酎なども造られています。

新しい世代の造り手による「仙人蔵 純米酒」は、ふくよかな舌触りながら酸も感じるという、やや辛口の日本酒です。


【観光情報】 長野県伊那市

“長野県伊那市って?”という方のために、簡単にご紹介。

長野県は、日本のほぼ真ん中に位置し、
海に面していない県の1つ。
日本アルプスの山々を抱く県です。

意外に知られていませんが、日本で最も多くの県と接しています。
隣り合う県は、全部で8つ。

東: 群馬県、埼玉県、山梨県
西: 富山県、岐阜県
北: 新潟県
南: 静岡県、愛知県

長野県の県歌は「信濃の国」。
浅井 洌 氏の作詞によるもので、
ここでは、その一部をご紹介。

信濃の国は十州に 境連ぬる国にして
聳ゆる山はいや高く 流るる川はいや遠し
松本伊那佐久善光寺 四つの平は肥沃の地
海こそなけれ物さわに 万ず足らわぬ事ぞなき

記載させていただいたのは1番ですが、全部で6番まであって、
長野県の地理や風土、歴史などが、見事に読み込まれています。
ご興味をお持ちの方は、長野県公式ホームページ「website 信州」でご確認を。

「信州デスティネーションキャンペーン」
長野県では、2010年10~12月にかけて、
JRグループと連携した「信州デスティネーションキャンペーン」が開催されます。

詳細は、「さわやか信州ネット」で。

今年10~12月には、「プレキャンペーン」が実施され、
イベント列車が走ったり、特製駅弁がお目見えしたりしました。

ウェブサイトでは、長野県を6つのエリアに分けて、
各エリア毎に、見所や温泉、名物料理などが紹介されています。

北信濃エリア   : 長野市、飯山市、小布施町など
東信州エリア   : 上田市、小諸市、軽井沢町など
日本アルプスエリア: 松本市、安曇野市、白馬村など
諏訪エリア    : 諏訪市、茅野市、岡谷市など
伊那路エリア   : 伊那市、飯田市、駒ヶ根市など
木曽路エリア   : 塩尻市、中津川市、木曽町など

春には、梅や桜など花を楽しみながら山菜を味わい、
秋には、紅葉を楽しみながら果物やキノコ、新そばを味わう。

来年の秋からなので、まだまだ先のことですが、是非、訪れてみてください。


真田昌幸着用の具足(上田市)

南信州獅子舞フェスティバル(飯田市)

葛飾北斎 八方睨み鳳凰図(小布施町)
「さわやか信州旅ネット」より

そんな長野県の中で、
伊那市は、長野県の南部に位置します。

静岡県や愛知県と境を接する信州の南の玄関口が、
伊那路エリアと呼ばれることもあります。

伊那市は、伊那路エリアの北の端にあり、
南アルプスと中央アルプスに東西を挟まれた谷のような地域。

諏訪湖を源流とする天竜川が街の真ん中を南北に流れ、
その東と西にまたがって広がる街です。

戦国時代から江戸時代にかけては、
現在の伊那市の東部にある高遠城を中心に栄えました。

高遠城は、戦国時代には、武田信玄の信州攻略の拠点とされました。
その後は、織田氏の支配となり、
江戸時代には、保科氏や鳥居氏、内藤氏が城主を務めました。

伊那市の観光名所と名物料理
高遠城は、現在では天守閣が残っていませんが、
高遠城址公園として有名な場所。
約1,500本もの「タカトオコヒガンザクラ」が植えられており、
古木になると、樹齢120年にもなるとか。

「天下第一の桜」と称されるほどで、背の高い桜の樹に、
やや小ぶりで赤みを帯びた花が咲きます。

4月中旬~下旬頃が見頃だそうですので、
その頃に是非どうぞ!

高遠城址公園
桜が満開!
(画像提供: 伊那市観光協会


高遠城址公園
秋の紅葉も見事!
(画像提供: 伊那市観光協会
残念ながら、今の時期には終わってしまいましたが、
秋の紅葉も綺麗です。

また、高遠城址公園内には、
万延元年(1860年)に創立された藩学校「進徳館」や
大手門の一部が残されています。

近くには、「高遠さくらの湯」という日帰り入浴施設もあり、
湯に浸かりながら駒ヶ岳を望めるそうです。
JR飯田線の伊那市駅の南西部にある春日城址公園も桜の名所。

春日城は、約470年前の天文の頃に築かれた平山式の館城。
平家の末流である粟田口民部重吉(あわたぐちみんぶしげよし)の末孫にあたる伊那部大和守重慶(いなべやまとのかみしげよし)が築いたとされています。

高遠城址公園では見られなかった紅葉も、
春日城址公園では、まだ楽しめました。

春日城址公園
お子さんがいらっしゃるご家族向けには、
伊那市の北西部にある「みはらしファーム」も楽しめます。

そば打ち(名人亭)やパン作り(麦の家)、竹玩具、草木染めなどの体験ができるほか、季節によっては、イチゴやブドウ、リンゴなどの果物の収穫体験、木曽馬やダチョウなどとのふれあい体験も。

温泉や宿泊施設なども整っていて、身体を動かしながら、ノンビリできます。
伊那市の名物料理はいくつかありますが、そのうちの2つをご紹介。
まずは、ローメン。
以前は「炒肉麺(チャーローメン)」と呼ばれていたそうですが、
いつ頃からか、「炒」の字がなくなり、「ローメン」になったとか。

「サフォーク種」と呼ばれる羊毛を取る羊の肉を使い、
キャベツなどの野菜や麺と共に蒸し煮にした料理。

伊那の名物「ローメン」を全国に広げようと、
「ローメンズクラブ」も発足しているとか。

元祖とされる「萬里」のローメン

「門・やません」のソースかつどん
もう1つは、ソースかつどん。
シャキシャキの千切りキャベツの上に、
特製ソースのタレをくぐらせたトンカツを載せた丼。

戦後から間もない昭和21年(1946年)に、
伊奈町の中心街に開店した飲食店が始めたのが最初とか。

隣の駒ヶ根市もソースかつどんを名物料理に打ち出しており、
伊那地域全体で名物の味になっているそうです。
「伊那ソースかつどん会」も組織されています。
伊那市の観光情報の詳細は、おいでな伊那 (伊那市観光協会)で。

高遠焼

白山登窯: 長野県伊那市高遠町勝間 142-1
電話 0265-94-2813
伊那市には、
「高遠焼」と呼ばれる陶器があります。

酒器なら、ぐい呑みや徳利、ビールカップなどが作られていますし、普段使いのお皿やお茶碗、コーヒーカップ、花瓶などもあります。
元々は、高遠城内に水を引くための土管を焼くため、1821年に窯を開いたのが始まりとか。
最初の窯は花畑の勝間河原に築かれましたが、現在では高遠湖の底に沈んでいます。
「御庭焼」として栄えた時期もあったものの、一時、衰退の憂き目にあって廃窯になりました。
1975年に再興され、現在に至るそうです。
高遠焼は、元々、灰と織部の2種類の釉薬を用いて焼かれるのが特徴の陶器。

赤茶色の粘土を使っていたことから、
白っぽい釉薬を使った上に、緑などの色をつけたと言われています。

最近では、伝統的な2種類の釉薬にこだわらない新しい作品も作られています。

多種類の釉薬を使い、焼きあがった
ときの色の変化を楽しめるように
作陶されています。(窯元は花窯)

多種類の釉薬を使っていますが、
外側は主として「辰砂」と呼ばれる
赤色の釉薬が使われています。
(窯元は白山登窯)
伝統的な色合いのぐい呑みを使っても、
新しい色合いのぐい呑みを使っても、
清酒でも良いでしょうし、
にごり酒を入れても綺麗かもしれませんね。

地元のお酒を地元の焼物と共に、
地元の料理で楽しむ・・・。

ある意味、
究極の日本酒の楽しみ方かもしれません。
高遠焼窯元としては、
「花窯」と「白山登窯」の2つが有名。

どちらも高遠城址公園の近くなので、
足を伸ばしてみてください。

「白山登窯」では、体験教室も開かれてます。

花窯: 長野県伊那市高遠町東高遠 451-1
電話 0265-94-3542

by Hirokazu