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吟醸酒ってナニ?

“吟醸酒”って、よく聞くけど実際はどういう意味なの?

日本酒ファンの方ならもちろんご存知なのでしょうが、今日は、日本酒があまり身近ではない方々のためにサクっとご説明してみますね。

超カンタンに言ってしまうと、
“吟醸酒”とは「日本酒の中でも最も手間ひまをかけて大切に造られた高級で美味しいお酒」
ってことになります。   ・・・えっ?
もう少し真面目にヤレって?

承知しました。ではもう少しだけ詳しくね。

まず、日本酒=清酒 は“特定名称酒”と“普通酒”の2つに大別されます。
これは製造方法の違い、原材料の違いが決定的で、ある意味お酒の質の優劣を表していると言ってもいいでしょう(好みの問題は置いといて)。

簡単に言えば“特定名称酒”は高級なお酒。
“普通種”は高級ではないお酒、と言ってさしつかえないと思います。
いわゆる大衆場で、メニューにただ“日本酒”とだけあったり、原材料の記載が怪しげなパック酒などがこの手合いです。

“特定名称酒”と“普通酒”の違いをもう少しだけご説明しますと、“特定名称酒”は原材料に米、米麹、醸造用アルコールしか使いません。

“醸造用アルコール”というと、えっ?! そんなのが入ってるのと思われる方がいるかもしれませんが、しばしお待ちを。
これはでんぷん物質等から醸造されたアルコールで、適量(“特定名称酒”では白米重量の10%以下)を添加することで香りが高くスッキリとした味となります。また、お酒の香味を劣化させる火落菌の増殖を防止する効果もあります。決して悪い添加物ではありません。
“特定名称酒”のうち、(※)印に添加されています。
醸造用アルコールが全く添加されないもの、すなわち米と米麹のみで造られた酒を“純米・・・”と呼びます。

一方で、“普通酒”には米・米麹・醸造用アルコール以外の添加物(糖類やグルタミン酸ナトリウムなど)を混ぜたり、米以外の穀類を使う場合があります。これらが妙に甘くベトベトしたり、悪酔いするなどと言った日本酒の悪評の原因になっているとも言われます。
「日本酒は臭いからイヤ」とか「悪酔いするから嫌い」という人たちのトラウマの多くは、“普通酒”にあるのかも知れません。
もちろん、中には美味しい真面目な“普通酒”もありますけどね(例えば、添加物は使用してないけど、次にご説明する精米歩合が“特定名称酒”の規定から外れてるだけとか、果実系の日本酒リキュールとか)。

 もうひと言だけご説明させて下さい。“精米歩合”についてです。
これは、お酒を造るにあたって原料の玄米をどのくらい磨いているかを意味します。
例えば、“精米歩合70%”と言うと、玄米の外側を30%磨くということです。
10kgの玄米を買ってもそのうち3kgを削り取り7kgしか使わないのです。

では、どうして磨く必要があるのか? これはお酒の雑味となる米の表皮部分(タンパク質や脂肪分(米糠))を取り除き、よりピュアなお酒を造るためです。この精米歩合の数値が小さいほど米をより磨いていることを意味します。因みに、普段、私たちが食しているご飯の精米歩合は90%~92%程度です。

“特定名称酒”は精米歩合が70%以下と規定されています(米の表面を30%以上削りとってしまう)。つまり3割は磨いていないと“特定名称酒”を名乗れません。
大吟醸は50%以下と規定されています。買ったお米を半分以下しか使わないのですから当然製造コストは高くなりますね(削った部分は“糠”として再利用されます)。

他にも、米の等級や米麹および醸造用アルコールの使用量にも規定があり、これを満たさないと“特定名称酒”を名乗れません(ここでは割愛します)。

次に、“特定名称酒”はさらに8つに分類されます。
でもこの8つはお酒の製造法の違いと特徴を示すもので、お酒の質の優劣を表すものではありません。この8つのうち、図の☆印の4つを総称して“吟醸酒”って呼ぶのです。

特定名称酒
 特定名称  原材料  精米歩合  麹米の使用割合  特徴
 大吟醸 ☆  米・米麹・醸造アルコール  50%以下  15%以上  吟醸造り、特有の香味、色沢が特に良好
 吟醸 ☆  米・米麹・醸造アルコール  60%以下  15%以上  吟醸造り、特有の香味、色沢が良好
 純米大吟醸 ☆  米・米麹  50%以下  15%以上  吟醸造り、特有の香味、色沢が特に良好
 純米吟醸 ☆  米・米麹  60%以下  15%以上  吟醸造り、特有の香味、色沢が良好
 特別純米  米・米麹  60%以下または特別な製造方法  15%以上  香味、色沢が特に良好
 純米  米・米麹  70%以下  15%以上  香味、色沢が良好
 特別本醸造  米・米麹・醸造アルコール   60%以下または特別な製造方法   15%以上   香味、色沢が特に良好
 本醸造   米、米麹、醸造アルコール    70%以下   15%以上   香味、色沢が良好

                                                   

共通しているのは、「“吟醸造り”によって特有の香味、色沢が特に良好であるもの」と定義されます。

では最後に“吟醸造り”とは「特別に吟味して醸造することを言い、伝統的手法によって、よく精白した白米を低温でゆっくり発酵させ、特有の芳香(吟香)を有するように醸造すること」を言うそうです。

いかがでしょう、“ガッテン”していただけましたでしょうか。

“吟醸酒”はまさにPremium Sake (プレミアム・サケ)なのです。
さらに詳しいご説明は、Wikipedia をご覧下さい。

でもこんな吟醸酒も、実は、みんなに飲まれるようになってから、まだ30年も経ってないのです。精米技術や温度管理の技術が高まって、新しい酵母が発見されて、市場に出せるほどの量を造れるようになって、酒屋さんに冷蔵庫が置かれるようになってようやく広まるようになってきたのです。

さて、ご説明の最初に 日本酒=清酒は“特定名称酒”と“普通種”に大別されると申しました。
その出荷量を比べてみると“普通種”が圧倒的でおよそ75%、“特定名称酒”は25%にしか過ぎないのです。“特定名称酒”の中でも“吟醸酒”になると僅か数%に過ぎません。

つまり、現代でさえ圧倒的多くの人々が“日本酒”と言えば“普通酒”を飲みイメージし、または知らずに飲まされているのです。
多くの人が良質で美味しい“特定名称酒”を飲まれるようになると、日本酒の美味しさ・楽しさが再認識され人気はもっともっと高まって行くと思うのですけどね。

最後に、“特定名称酒”の中でも、特にPremium Sake である“吟醸系のお酒を広く普及させましょう”という目的で設立されたのが、「日本吟醸酒協会」です。

吟醸系のお酒の商品化が始まったばかりと言える1981年に日本全国の蔵元さん43社が集まって設立されました。現在では、参加されている蔵元さんは57社(2009年6月現在)。吟醸系のお酒をもっともっと多くの人に楽しんでもらおうと活動されてます。

次回は、その活動の一旦をご紹介しますね。

ではでは

                                                                                                                                                by Takako